今回は複雑な方が主役となります。
どこの国の王なのか、なに人になるのか、明確にできない男「カルロス1世」または「カール5世」の登場です!
な???
肩書きの多い王か。ふむ、聞こうではないか。
登場人物
カルロス1世(カール5世)
王朝:スペイン、神聖ローマ帝国など約70個ある
タイプ:偉大な王
スペイン・神聖ローマ帝国・ハプスブルク家といった、当時最強クラスの血筋の持ち主。顎がとっても特徴的。
サラブレッドゆえに治める国の数が尋常じゃなく多くなり、戦争のオンパレード人生を歩むことになる。
・カルロス1世(スペインでの名前)
・カール5世(神聖ローマ帝国での名前)
・ハプスブルク家
・イタリア戦争
・第1次ウィーン包囲
・プレヴェザの海戦
日本は戦国時代。明智光安と同い年
マルティン・ルター
出身地:神聖ローマ帝国
職業:神学者・聖職者・作家
ヨーロッパ全土を揺るがした「宗教革命」を起こした人。
この宗教革命からキリスト教の中で新教「プロテスタント」が生まれる。
・宗教改革
・プロテスタント
日本は戦国時代。ラファエロと同い年
フランソワ1世
王朝:ヴァロワ朝9代目
タイプ:芸術王
派手好き女好き芸術好きのフランス王。
カルロス1世(カール5世)宿命のライバルといえばこの方。
なんだかんだ一歩及ばず。レオナルド・ダ・ヴィンチと仲良し。
・カルロス1世(カール5世)の宿敵
・イタリア戦争
日本は戦国時代。斎藤道三と同い年
スレイマン1世
王朝:オスマン朝10代目
タイプ:最強皇帝
壮麗帝の異名を持つオスマン帝国(トルコ)の皇帝。玉ねぎみたいな帽子が特徴。
世界最強クラスの力を誇り、帝国を最盛期に導いた。
可愛い子には弱い…?
・第1次ウィーン包囲
・プレヴェザの海戦
日本は戦国時代。斎藤道三と同い年
ほう…王や皇帝が3人も。
カルロス1世(カール5世)はあまりにも肩書きが多すぎて全部簡潔にまとめるのは不可能なので、大まかに二点に絞ってお話しします。
血統がすごい!
まず名前が2つある理由はスペインと神聖ローマ帝国で呼び名が違うからです。
私は日本ではこめですが、アメリカだとライスになるんでしょうか。
今回はスペイン史の話になりますので、カルロス1世で統一して呼びます。
カルロス1世は父方から「神聖ローマ帝国皇帝」「ハプスブルク家」を、母方から「スペイン王」をもらっております。とんでもなくサラブレットな血筋ですね。
な、何やらハプハプしておる…!
一気に全て手に入れたわけではないんですが、生涯で70もの肩書きを獲得します。
「神聖ローマ帝国皇帝兼スペイン王兼…」と1人の人間が治められる範囲を超えてますね!
何!そんなに…ぐぬぬ
カルロス1世からハプスブルク家の王が続くので「スペイン・ハプスブルク朝」となります。
「スペイン・ハプスブルク朝」初代王様ですよ。
生まれながらにして全てを手にしているような男でござる!
羨ましいでござるな!
とんでもない!スーパーハード人生です。
カルロス1世はず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと戦争しており、休む暇なんてほとんどなかったと思います!
玉座に座って命令しているだけの王様じゃないです。
戦歴がすごい!
カルロス1世の生涯の敵となる人たちを三つに分類してみました!
・宗教の問題
・隣国の戦争
・中東の戦争
となります。
ぬう…下に可哀想な姫君が!
VSルター
まずは宗教の問題です。
神聖ローマ帝国で、ルターは時の最高権力者である教皇のやり方に意見するんです。おかしいところを紙に書いて教会に貼り付けます。
この辺から宗教改革が国内に留まらずヨーロッパに広まっていきます。
神聖ローマ帝国皇帝っていわば「ローマ教会の守護者」なんですよ。
名前からしてそんな雰囲気ありますよね〜だから教皇を批判したルターを許せる立場じゃないんです。
ルターはヴォルムス帝国議会で破門、追放されちゃいますが保護されて生き延びます。
しかし時の権力者皇帝と教皇に刃向かった反逆のカリスマ的な感じになり、ルターに賛成する人があとをたちません。
ここから古いカトリックではなく、新しい考えをもった人たちプロテスタントが生まれます。この中にも○○派って枝分かれします。
何やら大ごとになってきておるな。
国内が宗教問題で分裂。カルロス1世(カール5世)的に「内部分裂してる場合じゃない」って思うわけです。まとめるために一旦「プロテスタントいいよ」ってなるんですが、状況が落ち着いたら別の時にひっくり返しちゃうので反感を買います。宗教問題はこの後もずっと続きます。
VSフランソワ1世
2つ目は隣国の戦争です。
フランスの位置を確認してみてください。
カルロス1世が神聖ローマ帝国皇帝になったら挟まれる状態になっちゃうんです。
これに危機感を覚えたフランソワ1世は自身も皇帝にエントリーします。
エントリー?気楽に誰でも皇帝になれるのか?
神聖ローマ帝国ってちょっと特殊で「選挙」によって皇帝を決めるんです。
といっても私たちがやってるような投票選挙ではなく、「選帝侯」という皇帝選ぶ権利ある偉い人が7人いるんですよ。要はここから4/7票獲得できれば皇帝になれます!
でも全く縁もゆかりもない人はなれません。
神聖ローマ帝国の領土内にフランス側の領土もあったので、それを理由にエントリーできたんです。
結果フランソワ1世の惨敗に終わったので、仲は険悪ですね。
のちにイタリアを狙って戦うことになるイタリア戦争が有名です。
イタリアは戦場となるので可哀想な状況になります。
そしてカルロス1世(ハプスブルク朝)VSフランソワ1世(ヴァロワ朝)の戦いはずっと続くのでした…。
VSスレイマン1世
3つ目は中東の戦争「オスマン帝国」との戦いです。
地図で見てください。でかいと思ってた神聖ローマ帝国が小さく見えます…!
なんと!一体何倍あるのだ!?こんな大きい帝国と戦うのか!
この時の皇帝はスレイマン1世です。オスマン帝国では皇帝のことをスルタンと言いますね。
スレイマン1世は地中海の制海権を狙っています。ここをGETしたらヨーロッパとも貿易できてボロ儲けできるからですね。
さっき出てきたフランソワ1世はこのスレイマン1世と手を組みます。
神聖ローマ帝国を挟み撃ちする感じになりますね。
オスマン帝国はイスラーム教なので本当は嫌だけどカルロス1世を倒すための苦肉の策です!
おのれ…挟み撃ちとは卑怯なり!
神聖ローマ帝国内のウィーンを包囲するんですが、大雪に見舞われ撤退します。
しかしこの後のプレヴェザの海戦で勝利し、制海権をGETします。
戦争ばかりの人生。その余生は…
四方八方に敵がいて奔走したカルロス1世ですが、40代で老人に見えるくらい老け込んでたそうです。現代でもストレスで白髪が増えたとかありますが、可愛く見えるレベルでしょうね。
体力の限界を超えたカルロス1世。息子フェリペ2世と弟フェルディナント1世に領土を分けて引退します。晩年は痛風に悩まされ最後まで苦しい人生だったとか…
ぬおおおお
あとがき
現代のストレス社会で生きる読者の皆様。
生まれながらに戦うことをさだめられ、激務でボロボロになったカルロス1世に思いを寄せてくれたら嬉しいです!
ストレスは恐ろしいぞ!頭皮にもくる。
って誰がハゲておるか!
な、何も言ってないでござるよ…
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