土日更新目指してます!古い年代から進めて今に至る。

復活を夢見る皇帝と踊り子皇后(ユスティニアヌス1世とテオドラ)

こめ

久しぶりに夫婦のお話!
分裂したローマ帝国の東の方に移動します!

かんじゃ

目がガンギマリしてる夫婦ね。
お似合いよ。

ぞうやま

パォ…!このモザイク壁画は!!

登場人物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ユスティニアヌス1世

王朝:ユスティニアヌス朝2代皇帝
タイプ:大帝

東ローマ帝国(ビザンツ帝国)をかつてのローマ帝国のように領土を拡大。年下妻が大好き。身分より能力重視の人材選びをする。最盛期から晩年は衰退期に入る。

・ニカの乱
・ヴァンダル王国と東ゴート王国を滅ぼす
・ハギア=ソフィア大聖堂再建
・ローマ法大全編纂
・絹織物業
・ペスト(黒死病)大流行

日本は古墳時代。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

テオドラ

王朝:ユスティニアヌス朝2代皇帝の皇后
タイプ:踊り子

ユスティニアヌス1世に一目惚れされた年下美女。元踊り子で身分の違いを乗り越え結婚。若いけど肝が据わっていて、ユスティニアヌス1世のよき相談相手。

・ニカの乱

日本は古墳時代。

ぞうやま

美しいモザイク画だあああああ!!!

ローマ帝国東ルート

こめ

おさらいも兼ねて、主人公ユスティニアヌス1世が登場するまでの流れを説明します。
ローマ帝国が二つに分断され、西と東で別の国になりました。
これまで西ルートの話をしてきました。ゲルマン人の大移動とか。

こめ

今回は東ルートの話になります。
初代皇帝はテオドシウス1世の長男でしたが、無能でした。
その後息子の代になると、フン人の王アッティラが攻めてきます。この人は西ローマとも戦ってますね!

かんじゃ

テオドシウス朝もう終わっちゃうの。その次のレオ朝とかいうのも、もう終わり。
エピソード激弱なのね。

こめ

レオ朝最後の皇帝は子どもがいなかったので、元老院の推薦でユスティヌス1世が皇帝に。農民→将軍→皇帝と、豊臣秀吉ばりの出世ですね。
そんな彼を支えていたのが主人公ユスティニアヌス1世です。甥→養子になってます。

身分の違いを乗り越える

こめ

ユスティニアヌス1世39歳。恋をします。
相手は踊り子のテオドラという少女でした。

ぞうやま

テオドラさんは苦労の多そうな人だゾ〜
若いけどいろんな経験してて大人っぽかったんだな〜
踊っている姿が素敵だったんだな〜

こめ

テオドラはただ踊ってただけではなく、身を売ってたような怪しい感じのことをしていたようです。アングラな世界で生きていたんですね。
それにこの時代の踊り子はかなり卑しい立場と思われていたこともあり、未来の皇帝になるかもしれない男の奥さんとしてはヤバいだろって思われました。

こめ

法律でも身分違いの結婚は禁止されていたんですが、なんと叔父さんであり、現皇帝のユスティヌス1世が法を変えます。
これで2人はめでたく結婚することになりました!

ぞうやま

すごいゾ〜!
今ダメでもいつかよくなる未来があるんだゾ〜

こめ

キューピットだったユスティヌス1世が亡くなり、次は自分が皇帝になる番です。
「眠らぬ皇帝」の異名を持つほどの働きマンで、「身分<実力」の考えを持ち、有能な人をどんどん部下にしていきます。
しかしこの人たち、人気が低く、次第に市民は不満に感じます。

ニカの乱

こめ

帝位を揺るがす暴動が起こってしまいました。ニカの乱です。
大規模な暴動で、市民たちと話し合いができない状態までいきます。
なすすべなしのユスティニアヌス1世は、逃げることを決意。

かんじゃ

ダサいけど仕方ないわね。
生きれば再起の道があるかも。
…あら、テオドラ。

こめ

テオドラは「恥を晒して生きて何になる、皇帝として戦え!」的な檄を飛ばします。これに胸を打たれたユスティニアヌス1世。戦う決意をし、暴動の鎮圧のために街に戻りました。

かんじゃ

肝が据わってるわね。さすがアングラの世界で生きてきた女だわ。

こめ

こうして部下を鎮圧に向かわせましたが、3万人くらい殺されました。
テオドラがいなければ、ユスティニアヌス1世はここでやられていたかもしれませんね。

かんじゃ

…想像以上の人数で驚いたわ。テオドラ、やるじゃない…!

かつてのローマ帝国を!

こめ

ユスティニアヌス1世が本気を出しました。
ゲルマン人の大移動の時にできたゲルマン人の国、ヴァンダル王国東ゴート王国を滅ぼします。
他にも領土の拡大を進め、かつてのローマ帝国ばりの広大な土地をGETします。

こめ

ササン朝ペルシアに対しては倒すまではできませんでしたが、和約を交わしたので、侵略されてません。

ぞうやま

すごいゾ〜!
愛の力なんだゾ〜!

こめ

内政も頑張ります。
先のニカの乱で焼失した世界遺産のハギア=ソフィア大聖堂を再建。
法学者トリボニアヌスを中心にローマ法大全を編纂。
絹織物業を始め、国を潤しました。

ぞうやま

説明しよう。
このハギア=ソフィア大聖堂の作りはビザンツ様式という。
ドームの形やモザイク壁画が特徴だ。
モザイク壁画はユスティニアヌス1世、テオドラの肖像画を見ればわかるだろう。

こめ

あとはコンスタンティヌス1世の時に作られたソリドゥス金貨が、名前を変えてここでも使われています。
こうして愛の力でユスティニアヌス1世は大帝と呼ばれるような男になりました。

世界遺産のハギア=ソフィア大聖堂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ユスティニアヌス1世と有能な仲間たちのモザイク画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

災難続く

こめ

ビザンツ帝国は最盛期を迎えたものの、ここから衰退していきます。
感染症が大流行します。ペスト(黒死病)です。
なんかもっと後の時代のイメージでしたが、ここが最初の流行のようです。

かんじゃ

コロナでどれだけ私たち医療従事者が大変だったか…。
自分のことのように思えてしまうわ。

こめ

1日1万人の死者を出す時もあったとか。ここまで人が亡くなると、国も政府もまわりません!
人口が急激に減り、ユスティニアヌス1世「ローマ帝国の復活」の大いなる夢は潰えます。

こめ

不幸は続きます。
最愛のテオドラがガンで亡くなりました。まだ40代。
夢も大切な人も失ったユスティニアヌス1世…。

かんじゃ

心の傷を癒す薬は、まだないわ…

こめ

晩年のユスティニアヌス1世は宗教に熱心になります。テオドラを失ったショックで、神にすがっていたのでしょうか…。
異民族の襲来に対しても、軍をおろそかにして金で解決していたため、財政難になります。

かんじゃ

あんまり人を好きになりすぎるのも危険ね。喪失感が半端ないわ。
依存先を増やしておかないと。
って私そんな心配する性格じゃなかった。

あとがき

かんじゃ

ビザンツ帝国ってここが最盛期なの?
1000年も続くのにピーク早くない?

こめ

悲しい話になってしまった。
しかしお似合いの夫婦でした。

ぞうやま

この2人が美しい壁画となって、永遠に残っていく…
パォォォ…!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメントは運営者が確認次第、表示されます!

コメントする